HorseBook掲載のセレクトセール上場馬④
7月12日・13日に、苫小牧・ノーザンホースパークにて、日本最大級の競走馬セリ「セレクトセール」が開催されます。HorseBookに掲載されているセレクトセール上場馬をご紹介します。
150. トップスカーレットの2020(父マインドユアビスケッツ)
父マインドユアビスケッツは米国産馬。未勝利脱出に5戦を要するややスロースターターな立ち上がりではあったものの、3歳夏のサラトガ競馬場・GⅡアムステルダムS(ダ1300m)で重賞に初挑戦・初制覇。2戦を挟んで臨んだアメリカダート短距離路線の最高峰、GⅠ・BCスプリント(サンタアニタパーク・ダ1200m)では、7頭立ての6番人気という伏兵ながら、同期で今年から産駒がデビューしているドレフォンの3着に好走しました(のち薬物検査の関係で上位入線馬が失格となり、2着繰り上げ)。
クリスマスから一夜明けた同年のクライマックス、マリブS(サンタアニタパーク・ダ1400m)では、BCスプリントの好走もあり単勝3.7倍の2番人気に支持され、レースでは3番手から直線抜け出しという王道の競馬で優勝。3歳の暮れに念願のGⅠ初タイトルを獲得しました。
本馬を語る際、日本でなじみ深いのはやはりドバイゴールデンシャヒーンでしょう。4歳シーズンの同レースでは、直線しなやかでパワフルな差し脚を伸ばして2着馬に3馬身差をつける快勝。続く5歳シーズンは日本からマテラスカイが参戦したほか(5着)エックスワイジェットやロイエイチといった快速自慢としのぎを削ったこのレースは、鬼脚とも言いたいようなキレで前を捉え、1分10秒12というレコードタイムのおまけつきで連覇を達成しています。
惜敗も多くあった同馬ながら、つかみ取った勲章である3つのGⅠタイトルを手土産に引退。社台スタリオンステーションに種牡馬入りし、2022年に産駒デビューを迎え、トップスカーレットの2020は第一世代となります。
母トップスカーレットの牝系には紫苑Sを勝ったパッシングスルーをはじめ、芝のオープンクラスで活躍したハクサンルドルフ、ダート短距離界で存在感を放ったブルミラコロといった活躍馬がいます。