HorseBook掲載のセレクトセール上場馬②
7月12日・13日に、苫小牧・ノーザンホースパークにて、日本最大級の競走馬セリ「セレクトセール」が開催されます。HorseBookに掲載されているセレクトセール上場馬をご紹介します。
33. ビーコンターンの2020(父スクリーンヒーロー)
父スクリーンヒーローは3歳夏までは決して目立った存在ではなかったものの、福島のラジオNIKKEI賞を14番人気ながら2着に激走すると、続く秋のセントライト記念でも、同じく14番人気の低評価に反発して3着。中距離路線で少しずつ名前を売り始めました。
飛躍したのは4歳秋シーズン。蛯名正義騎手と久しぶりにコンビを組んだアルゼンチン共和国杯で、のちに天皇賞(春)を制しジャパンCや香港ヴァーズでも快走を見せるジャガーメイル以下を退けて重賞初勝利を飾ると、返す刀でジャパンCに出走。女傑ウオッカ、同年のダービー馬ディープスカイ、天皇賞春秋連覇など輝かしい実績を持つメイショウサムソンを向こうに回し、先団から厚い末脚を伸ばして先頭でゴールを駆け抜けました。8枠16番という不利な枠からの勝利は額面以上の価値があるでしょう。
同馬はこれらの活躍が認められ、同年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬を受賞しています。引退後、種牡馬としてはマイル~中距離を中心に国内外で天下無双の走りを見せたモーリスなどを輩出しており、怪物グラスワンダーのサイアーラインを次世代につなぐ役目を果たしました。
母ビーコンターンはイギリス生まれの競走馬。その母Baizeはデルマーオークスを制した名牝シンハリーズを生み、オークス馬シンハライト、マーメイドSを勝ったリラヴァティなど活躍馬が多数いるファミリーを形成。シンハリーズをおばに持つ同馬の血の力はダテではなく、半姉にあたるホウオウラスカーズは5月の東京マイル戦で2勝目を飾っています。