ロータスランド関屋記念制覇、ウィンチェスターファーム吉田直哉氏インタビュー
8月15日、新潟競馬場で行われたGⅢ関屋記念(芝1600m)。勝ったのは4番人気に支持されたロータスランドでした。サマーマイルシリーズでは初戦の米子S(L:阪神芝1600m)に続く2勝目で、同シリーズ制覇をほぼ確実とし、秋GⅠに向けての飛躍が期待されます。ロータスランドを生産したウィンチェスターファームの吉田直哉氏にお話を伺いました。
ロータスランドの種付け時、出生時、育成時の印象的なエピソード
母馬は背中の線が綺麗で脚がスラっと伸びったクラシックな体型だったのに比べて、本馬は、がっちりした体躯のフレームに骨量豊かな四肢が付く四輪駆動車のような馬体でした。例年より冷え込んだ冬でしたが順調に成長し、生後2ヵ月後から始めた昼夜放牧では牝馬ながらリーダー的な存在でした。その後翌年の8月初期馴致を行い、同時に昼夜放牧を続けて10月中旬にフロリダ州へ移動し、そこでもしっかり乗り込みを続けて予定通りの調教をこなしています。基本的に健康体で体調を全く崩さずに日本へ送りこめたというのが、本馬の成功の理由だと思います。本馬がその素質を見せ始めたのは、日本で調教を始めてからで日米のコラボレーションが上手く機能しました。
今回の関屋記念のレースぶりをご覧になった感想
前走後も体調が良く、順調に今回のレースに向けて調整できていると聞いて、自信を持って見ていました。そして本馬を信じていたので、勝つためのポジションを最初から取ってレースを組み立ててほしいと思っていました。変則開催で新潟の芝の状況が判り難く鞍上はどこを選んで、最後の直線を追うのかと考えながら見ていましたが内埒沿いの状態の良い場所を選んでくれたと思います。芝で活躍した父馬のセンスをよく引き継いでいると思います。
ロータスランドが日本に来るまでの経緯(取引方法)
父の代からお世話になっている小林英一ホールディングス社から、異系統の牝馬を購入して(注:母Little Miss Muffetはウィンチェスターファーム所有)同社が所有するゴールドシップの種牡馬事業を支援したいとのお話をいただき、馬体、そして血統面を再検討し本馬を選んで御購入いただきました。その後も当社で繋養し、フロリダ州ではダート・芝両方で調教を進め、日本競馬への適性について担当者達と検討を重ねて輸出することにいたしました。
ロータスランドのように日本の芝で活躍できるとお考えの種牡馬
本馬の父ポイントオブエントリーは重心が高く軽い脚捌きの産駒が多く、日本の馬場に合っており実際、日本で出走した産駒全頭が勝ち上がっています。ブレイムや、ナイキスト、キティンズジョイにガンランナーといったクラシック体型を持った種牡馬の産駒を選んではどうかと思います。こうした種牡馬の産駒は日本での調教施設にも対応できるのではないかと考えています。流行系統に目が行ってしまうのもサラブレッドマーケットの側面のひとつではありますが、芝、または深めの砂質のダートを持つ日本の競馬場に合う体型を持つ種牡馬であれば良いと考えています。
海外馬を購買するメリットについて
冬季も夏季とほぼ同じレベルの運動を放牧地で出来、肥沃な土壌と硬水によりしっかりした馬格の馬を購入できること。そして、近年日本の馬の価格が高騰しているので国際輸送の費用が発生しても、日本国内外の選抜市場上場馬のマーケットを比較してみると、コスト的に外国馬は高い買い物ではなくなりました。
同日には3歳馬Point Me byが米G1ブルースD.ステークス(アーリントンパーク・芝8F)を制し、ウィンチェスターファーム生産馬が日米で重賞制覇を飾っています。HorseBookでは当歳・1歳馬を多数ご紹介中です。ぜひご購買をご検討ください。
https://horsebook.jp/horse/?horse-father=&horse-grandfather=&horse-farm=Winchester+Farm